☆ー目次ー☆
1,第9話解説:『さくらとふしぎなブローチ』
第9話[Aパート]
知世の励ましが、さくらの心に光を灯す:朝の学校の階段で教室に向かうさくらちゃんを見かけた知世ちゃんが駆け寄り、「おはようございます」と声をかけてくれました。
「元気がありませんね。あまり眠れませんでした?昨夜のこと気にしてますの?」
知世:「ちゃんとサンダーを捕まえたし、さくらちゃんは世界で唯一のカードキャプターとして立派に使命を全うしていますわ。」
さくらは暗い表情ながらも、うなずきました。
さくら:「そんな、大げさな話じゃないけど…」
(さくら、昨夜の回想)【「それが封印の杖か?ほんとに何も知らないんだな。とにかく、お前のその程度の力でクロウカード集めは無理だ。」】と言い、李君は立ち去りました。
さくら:「でも、やっぱり李君がアドバイスしてくれていなかったら、どうなってたかわからないし…」
知世ちゃんの励ましで、さくらの心に少しずつ光が灯り始めました。
緊張のやりとり――さくらと李君の教室での一幕
さくらは顔を下に向けたまま、4-2教室に入りました。友達の利佳ちゃんが「おはよう!」と元気に挨拶してくれましたが、さくらはそのままうつむいて元気がありません。
席に座り、窓の外に視線を向けるさくらに、利佳ちゃんは一輪の花を差し出しました。「さくらちゃん、元気ないからこれあげるね」と優しく言いました。
「利佳ちゃんって大人っぽいし、優しいし、素敵だな。」と、さくらは心の中で思いました。
その時、李君が教室に入ってきて、さくらの後ろの席に座り、さくらは戸惑いながらも「あ、あの、昨日はありがとう。色々教えてくれて…。おかげでカードも捕まえられたし…。」と感謝の言葉を伝えました。
しかし、李君は冷たく「カードを集めるんなら、あれくらい知っていて当然だ。」と言い返し、さくらは少し驚きながらも、話題を変えてみました。「昨日、李君が着ていた服、かっこいいね。香港では皆、ああいう服を着るの?」
さくらはさらに続けて言いました。「あ、あのね、私の夢の中に、あの緑の服を着た男の子が出てきてびっくりしたの。」
李君は少し驚いたように「あれは李家に伝わる式服だ。お前が知っているはずがない。」
さくらは慌てて「知ってるんじゃなくて、夢で見たの…。」と言いましたが、李君はさらに追及します。「予知夢を見る魔力があるってことか?」
日直のサプライズ: 山崎君のジョークで和むクラスの空気
不穏な重い空気の中、知世が話題に入ろうとしたとき、男子の山崎くんが駆け寄りました。
山崎:「李君、転校早々だけど日直だよ。黒板を綺麗にしたり、日誌を書いたり、休み時間には歌を歌ったり、踊ったり、色々することがあるんだ。」
驚いたさくらが反応します。「日直って、歌ったり踊ったりするんだっけ?」
知世がすぐに答え「しませんわ。」と、微笑む知世。
山崎くんは笑顔で続けます。「さあ、まず黒板を綺麗にしようか。」
「それが終わったら、歌だよ。」←もちろん、山崎くんのいつもの嘘と冗談です。
2,さくらの不思議な夢と友達の優しさ
校内のチャイムが響く中、
東京タワーが見える向かいの屋上ビルに立っているさくら。
そんな中、小声で「さくらちゃん。」と呼びかける知世の声が耳に入ります。
先生の声が、夢の中で響き、「木之本。」さくらはその声に、びっくりしてガバッと起き上がります。
「寝不足か?だったら今日はゆっくり寝るんだな。ホームルーム終了だ。」
「今日はここまで。」クラスの生徒は、先生に挨拶をして帰っていきます。
「また。あの夢か。」
席から立ち上がり先生を見つめる利佳ちゃん。
李君も立ち上がり、背中を見せていたさくらは、その音で、びっくりします。
知世「李君が後ろの席だと緊張しますわね。」
さくら:「うん,,,.。」知世:「そうだ。さくらちゃん、お時間あります?」
さくら:「今日はご飯作らなくていいんだ。お父さんは学校で遅くなるし、お兄ちゃんバイトだから。」
知世:「利佳ちゃんが素敵なお店をみつけたんですって。一緒に行きませんか?」
さくら:「ありがとう。今日はずっと、ぼーっとしてるから元気づけてくれるんだよね。」
友情のひととき:アンティークブローチ探し
山崎:「寄り道はいいけど、掃除当番が終わってからだよ。」 さくら:「はい。」
放課後、さくら、知世、利佳の三人は、利佳の案内で可愛いブローチがあるお店に向かいました。お店に入ると、アンティークな装飾品が並べられており、どれも目を引くものばかりでした。
知世:「ごめんなさいね、付き合わせちゃって。今日はさくらちゃんが元気なかったから。」
利佳:「いいのよ。私も気になってたし。」
三人はブローチのコーナーで夢中になって眺めていました。さくらは、羽のついたハートマークのブローチを気に入り、お菓子のお小遣いをそのブローチに使って購入することにしました。知世は銀色の十字架のブローチを選び、利佳は「じゃあ、私はこれにする」と言って、剣の形をしたブローチを手に取りました。
知世:「剣のブローチですわね。」 さくら:「利佳ちゃんきっと似合うわよ。」
それぞれが気に入ったブローチを見つけて、満足そうにお店を後にしました。
3,お茶会の異変:ブローチの光と利佳の変貌
帰宅したさくらはTVゲームに夢中のケロちゃんにお客さん来てるから、下りてきたらだめだよとケロちゃんに伝えました。
知世:「手伝いましょうか?」
利佳:「ごめんね。夕飯前にお邪魔しちゃって。」
さくら:「今日はお兄ちゃんもお父さんもおそいの。」
お茶とお父さん手作りプリン3つを楽しむ3人、購入したブローチをスカーフにそれぞれ付けてみました。
さくら:「今度、奈緒子ちゃんと千春ちゃんも誘おうね。」 利佳:「うん。」
さくら:「利佳ちゃん、大人っぽくて綺麗だから、こういうのすごく似合うよ。」
ブローチを付けた利佳にさくらがそう言うと、利佳は黙ったままうつむいていました。
突然、部屋の空気が重くなり、利佳の様子が変わりました。彼女の目は生気を失い、虚ろな表情になっています。スカーフに付けた剣の形をしたブローチが光を放ち、刀身が長く伸び、両手で持てるほどの大きさになりました。
[Bパート] さくらの機敏な回避:迫りくる危機
利佳ちゃんは無表情でさくらを見つめると、片手で剣を握り直し、その瞬間、利佳ちゃんは剣をさくらに向けて振り下ろしましたが、さくらは素早く動いて攻撃をかわしました。
何度も剣がさくらに向けて振られましたが、さくらは巧みにそれを避け続けました。剣はただ空を切るばかりで、さくらには当たりませんでした。やがて、利佳ちゃんはさくらの首元を狙う動きを見せましたが、さくらはその攻撃も見事にかわし、剣は壁にぶつかりました。
その瞬間、さくらは驚きと緊張の中で玄関から外へと飛び出しました。二階からケロちゃんの声が響きました。「なんや、なんや!クロウカードの気配がするで!」 知世は状況を簡潔にケロちゃんに伝えましたが、二人とも事態の深刻さを感じていました。
利佳の異変!「剣(ソード)」のカードがもたらす試練
ケロちゃん:「ん?あれ、プリンの匂いや!わいのいてないとこで、プリン!」
知世:「そんなことより、さくらちゃんが!」
さくらは剣を交わしながら叫びます。「利佳ちゃん!」
しかし、利佳ちゃんは無表情のまま剣を振り下ろし、さくらに襲いかかります。
ケロちゃんが駆け寄り、さくらに話しかけます。
ケロちゃん:「あれは、『剣(ソード)』のカードや!」
さくら:「利佳ちゃん、フェンシングなんて習ってないのに。どうして?」
ケロちゃん:「『剣(ソード)』のカードは、使う人を誰でも剣の達人にしてしまうんや。今、お嬢ちゃんの意識は『剣(ソード)』に乗っ取られてしもうたんや。」
さくら:「そんな……」
やみのちからを秘めしカギよ。しんの姿を我の前に示せ、契約のもと、さくらが命じるレディース!
魔法と友情の狭間で:さくらの苦悩と決断
さくら:『跳(ジャンプ)』の魔法を使いさらに俊敏な動きが可能になりました。
ケロちゃん: 「でも、さくら、気いつけや!あの剣に当たったら、しゃっれにならへんで。『剣(ソード)』のカードの威力は、持ち主の心の持ちようによるんや。切りたくないと思えば、峰打ちもできるけど…」
さくら: 「でも、利佳ちゃんを攻撃するなんて、できないよ。」
ケロちゃん: 「その気になれば、岩も切れるほどの威力や。でも、お嬢ちゃんを傷つけたくないなら、逃げるしかないで!」
さくら: 「でも、でも!利佳ちゃんをほっとけないよ!」
利佳ちゃんはカーブミラーを切り裂き、家の塀を軽々と越えるような跳躍でさくらに襲いかかりますが、そこへ李君がかばい、剣で払いました。
さくら:「李君!」
李:「おまえ。」攻撃を仕掛けようとした李に「だめーーー。」
さくらは李の後ろにしがみつき攻撃を中止させ、
李:「何をする?」
さくらの『跳(ジャンプ)』の魔法は、その気になれば、10m以上は軽々とジャンプが可能で、さくらの庭にある草むらに着地します。」
4,さくらの勇気、李との対立!利佳ちゃんを守る
友達を守るため初めて李に強く言い返す瞬間
知世:「大丈夫ですか!」と、慌てて駆け寄ります。
さくら:「うん、でも利佳ちゃんが…」
李:「こっちがやられるところだったんだぞ!」
さくら:「利佳ちゃんに、怪我をさせたらだめ!」友達を守るため、いつもは萎縮しているさくらちゃんが、初めて李に言い返したシーンです。友達を守るために、普段は控えめなさくらが初めて李に強く言い返した瞬間でした。2人は睨み合います。
ケロちゃん:「あのお嬢ちゃんが、ほんの一瞬でもいいから、『剣(ソード)』から手を離してくれたらいいんだけど…」
さくらは、何かにひらめきを感じ、さくら:「知世ちゃんと李君をお願い!」
さくらは利佳ちゃんの前で、封印の杖を構えて、
李:「あの馬鹿!」
ケロちゃん:(李君に噛みつきます)「邪魔せんと、見とれ!」
彼の者よ、一番強く想う者の姿を映し出せ!イリュージョン!
利佳:「せんせい…」さくら:「えっ」ケロちゃん:「今や!」
さくらは、剣を持つ手に軽くチョップをし、利佳ちゃんから剣を離す事に成功。
汝の姿にもどれ!クロウカード!
見事に封印成功をしました。
ケロちゃん:「どや!さくら1人でも、ちゃんとカードを捕まえたで。」
李:「『剣(ソード)』は、くせもの揃いの中でも、まだ扱いやすいほうだ。」
ケロちゃん:「なんやて!」見事に、また李君の指に噛みつきました。
翌日:學校の図書室
利佳:「きのうごめんね。急に倒れちゃったなんて。あの、ブローチ付けてから何も覚えていないなんて?変なの?」
さくら:「はい。」利佳:「あけていいの?」
そんな利佳に、さくらは贈り物を持ってきたのだ。
さくらが贈った心のこもったブローチ
利佳:「これ…さくらちゃんが買った…。」
さくら:「一所懸命に探したけど見つからなくて…」
さくらはアンティークショップで買ったブローチを、利佳にプレゼントしました。
「探したけど見つからなかったから」と言いましたが、実はそれは利佳のブローチがクロウカードに戻ってしまったお詫びでした。
「ありがとう。大切にするわ。」利佳は優しく微笑みながら、ブローチを受け取りました。
小狼の意外な一面と新たなライバルの登場
学校の休憩時間
桃矢:「アイツをいじめていいのは俺だけだ。」
雪兎:「やっぱりシスターコンプレックスだね。」
そんな会話が交わされる中、小狼は突然、ポケットの中を慌てて探し、お菓子を取り出して雪兎に差し出しました。そして、恥ずかしそうにその場を走り去っていきました。
「さくらちゃん!」
遠くからその様子をカメラで撮影していた知世が、さくらの近くに寄り、耳元でそっと囁きました。
「李君も月城さんをお好きみたいですわね。」
「ほえぇぇぇぇっ!?」
「クロウカード集めでも、恋でも、ライバルの登場ですわね!」
さくらは戸惑いを隠せずにいましたが、新たな展開に驚きました。
これからお話する内容には、あらすじとネタバレが含まれますので、まだ見ていない方はご注意くださいませ☆