1,第7話解説:『さくらの怪盗初挑戦!?』
ケロちゃんとのスケッチドラマ
さくらはケロちゃんの似顔絵を完成させ、夕飯ができたので下に降りて行きました。しかし、スケッチを見たケロちゃんは、それが自分のイメージと全く違っていたため、不機嫌になってしまいました。
さくらは家族と食事を楽しみながら、翌日美術館で絵を描くために練習をしていたことを話題にしました。
学校の社会見学で、さくらたちは館長の挨拶が終わると、知世ちゃんと二人で建物内にある彫刻をモチーフに絵をスケッチしました。さくらがスケッチノートを開くと、思わず「あー」と大きな声を出してしまいました。すると、先生が駆けつけて小声で「静かにしなさい」と注意しました。昨晩、さくらが描いたケロちゃんの絵の上に、ケロちゃん自身が赤ペンで描かれていたのです。
廊下での出会い: 父の絵を巡る子供の叫び
さくらは彫刻の絵を完成させた後、知世ちゃんの描く絵のセンスに驚きました。中庭から千春ちゃんが手を振っていたので、さくらは先に中庭へ向かうことにしました。知世はもう少しで絵が完成するので、その場に残ることにしました。さくらが中庭へ行く途中、子供が絵をやぶこうとしているところを警備員に制止されているのを見かけました。その子供は叫びました。「傷なんか付けるもんか、あれは僕のパパの絵なんだ。僕を描いてくれた絵なのに、誰かが勝手に絵を書き換えたんだ。」
子供は警備員を振り払い、ナイフをかざして「このーー!」と叫びながら絵に向かって走りました。しかし、突然その絵が動き出し、周囲は静寂に包まれ、不思議な空間の一瞬の後、子供は警備員に捕まり、注意されながら連れて行かれました。
微笑みの絵の謎: 美術館での不思議な体験
その絵の題名は、『微笑み』橘天界作で、子供が何かを落としたのを、さくらが拾ったのは、2ねん2くみ たちばな ゆうきと書かれた名札でした。
知世ちゃんが「もうすぐ集合時間ですわ」と知らせてくれて美術館の帰り、さくらは知世ちゃんに美術館の絵が動いたことを告げます。 「絵が動いた?」
さくら 「そうしたら、急に音が聞こえなくなって一瞬だけど……まさかあれかな?」と、さくらは絵に憑りついた不幸な死を遂げたお化けではないかと想像します。
しかし、知世ちゃんはさくらが絵の前で怖がっていなかったことを思い起こし、
「さくらちゃん、お化けや幽霊には敏感でしょう。ということは、ひょっとすると……」 知世ちゃんの言葉に、さくらはクロウカードの仕業ではないかと気付いたのでした。
さくら「はっ!クロウカード?!」
知世はうなずき「一緒に確かめましょう」
月夜の秘密:さくらと雪兎の優しい夜の出会い
夜になり、さくらは2階の部屋の窓からこっそりと外の木の枝に出ました。すると、ちょうど雪兎さんに見つかり、「こんばんは、どうしたの?こんな夜遅くに?」
さくらは慌てながら、「あっ!お月さまでも見ようかなと思って」
雪兎は微笑みながら黙って見守ってくれる様子。小声で雪兎は、
「さくらちゃんは、二階で寝てるんだよね?今日はもう会えないね。でも、あまり夜ふかししたらだめだよ」と優しく言い、桃矢にも黙っていてもらえることに、さくらは頬を赤らめながら感謝を伝えました。雪兎さんの優しさを胸いっぱいに感じながら、さくらは嬉しい気持ちで知世ちゃんと合流するために美術館へ向かいました。
2,サイレントカード捕獲作戦
美術館の静かな夜
知世「サイレント? 音がないという意味ですわね」
ケロちゃん「そのとおりや。うるさいのが嫌いなカードなんや。」
さくら「だから静かな美術館にいるらしいの。昼間は音が消えただけだったけど。」
ケロちゃんはそのカードの詳細な能力についてはあまり知らない様子でした。
知世は「さくらちゃん、さあ、着替えましょう」と言い、着替え終えるさくらを嬉しそうに知世は、手に持ったビデオカメラを回し続けた。
さくらは「いつもよりはおとなしめの服だね」と言うと、知世は「ええ、怪盗は目立ってはいけませんから」と微笑んだ。
その後、知世は美術館の警備員の巡回時間表を事前に手に入れ、腕時計5分前にアラームが鳴るようにセットし、制限時間1時間のミッションが始まった。静かな夜の美術館を歩いていたさくらたちは、何か物音が聞こえたことに気がついた。下の階を見ると、昼間に見かけた男の子、ゆうきが美術館に侵入していたのだ。
大切な思い出を守るために:ゆうき君の想い
[Bパート] ケロちゃんをライトで照らし、その影を使って男の子を怖がらせて追い払おうとし、それでも、その子は近づいてきて、さくらたちと遭遇しました。さくら「ゆうき君、ちょっと待って」どうして僕の名前を?昼間に落とした名札を渡し「そうかあの時に,,,。」
さくら「ゆうき君,本当に,絵をやぶこうとしていたの,,,?」さくらは聞いた。
ゆうきは一瞬戸惑ったが、話し始めた。「僕は絵をやぶこうとしたわけじゃないんだ。ただ、元の絵に戻したかっただけなんだ。」
さくら「元の絵?」
ゆうきは小さな声で続けた。「あの絵は、パパが描いたんだ。パパは橘天海っていう画家なんだ。」知世はその名前を聞いて、「橘天海…とても素晴らしい絵を描く画家よね。でもたしか去年…病気で亡くなられたって聞いたわ。」
ゆうきはゆっくりと頷いた。「そう、パパはもういない。でも、あの絵は去年の夏、家族旅行の時、僕とパパの思い出の絵で、その上から誰かが絵に落書きをしたんだ…僕とパパの大切な最後の絵に…。ママも一番好きな絵と言っている。なのに,,,。」
さくらはそれを聞いて、「ひどい!その気持ちはわかるわ。私も自分の書いた絵の上に落書きされた時、すごく悔しかったもん。」(ケロちゃん、目をそらします。)
ゆうきの瞳には涙が浮かんでいた。「でも、誰も助けてくれないし、僕にはこの絵を守る責任があるんだ。」
さくらは優しくゆうきの肩に手を置いた。「私たちも手伝うよ。一緒に大切なものを守ろう。」ゆうきと話しているうちにかなり時間を費やしてしまった。
3,さくらたちの静かな戦い
音を立てずに絵に挑む作戦!
しかも目的の絵が同じなので、魔法を使うことができなくなってしまった。そこで、とりあえず知世が話しかけ、その隙の作戦でクロウカードを封印しようとしました。しかし、ゆうきの声が大きく『(静)サイレントTHE SILENT』のカードが動き出し「シー」と能力を発動しました。
気が付いた時には、さくらたちは中庭へ。
「まただ…パパの絵に近づくと、いつの間にか外にいるんだ。」
窓の外から悔しそうに絵を見つめるゆうき。
「サイレントの力ですわね…。」
「音をたてると、外に放り出されてしまうんだね。」
「ほぇ~…昼間にやられなくてよかった。」
ゆうきは、お化けの仕業であれば昼間なら大丈夫だろうと思って行動したそうだ。しかし、結果は変わらず、ゆうきはどうすればいいか頭を抱えてしまった。そこで、さくらは声を出さずに近づこうと言いました。
美術館の挑戦:音に敏感な(静)との対決
もう一度美術館に忍び込んださくらたちは、今度こそ音を立てないように慎重に(静)に近づいていった。絵の前には辿り着くも、ゆうきが道具を用意しているときにパレットナイフを床に落としてしまった。
絵の方を見ると、(静)が「シー」と、能力が発動していた。
「そんな…。」
「こんな音で…?」
さくらと知世は、わずかな物音でも能力を使う(静)に愕然とし、再び中庭に放り出されてしまう。
もう一度美術館に侵入するが、時間がほとんど残されていない上に、今度はさくらのくしゃみの音で能力が発動され、手も足も出せない状況に陥ってしまった。
4、シャドウの魔力で逆転!
ゆうきの救出作戦
「これじゃ呪文も唱えられんわ。」
ケルベロスが頭を抱えている。その時、知世がセットしたアラームが鳴り、警備員が来るまであと5分となってしまった。しかし、ゆうきは一人で絵の元へと走り出してしまったのだ。ゆうきは絵の前まで行きますが、そこで巡回中の警備員に見つかり、さくらたちの目の前で捕まってしまった。
「助けてあげなくちゃ!」中庭の物陰に隠れていたさくらたちは、どうにかしてゆうきを助ける方法を考える。警備員の手から逃れようとするゆうきの影を見たさくらは、ひらめきました。
「影よ!ガラスを通して、我を映し出せ!シャドウ!!」
知世の持っているライトで、さくらの影が影絵のように大きく映し出され、警備員の影を突き飛ばし、その衝撃で警備員はこけて、ゆうきは逃げ出しました。警備員もすぐに起き上がり追いかけました。誰もいなくなったのを確認したさくらは、そのまま影の姿で「静」の封印を試みます。しかし、さくらの影絵がわずかに絵に届きませんでした。知世の機転で、ライトの角度変更で、さくらの影絵がさらに大きくなり、さくらは叫びました。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」
これで封印が成功しました。
【本当の絵】
警備員が絵のとこへ戻ってきたさくらたちは、再び物陰に隠れました。
警備員は、ゆうきに逃げられ、現場の絵に光を当てて見ると驚き!慌てて美術館の奥へ走っていきました。「これは!!大変だ!!絵が替わってる!」その後、落ち込んだゆうきがさくらたちの元に戻ってきました。
さくらと知世は、手に持っていた懐中電灯であの絵を照らしました。「あー…っ!」
ゆうきが絵の方に駆け寄ると、帽子が外れ、長い髪が現れました。
「あっ!女の子だったんだ。ごめんね、ゆうき君だなんて。」
さくらが謝ると、ゆうきも「僕こそごめんね。」と言いました。
それから、ゆうきは何度もさくらたちに手を振って帰って行きました。
知世は「Mission Completeですわ。」と無事に幕を閉じましたが…..。
上から、見下ろす影が、「クロウカードの気配だ。」
これからお話する内容には、あらすじとネタバレが含まれますので、まだ見ていない方はご注意くださいませ☆